女性の植毛

女性のハエギワの特徴は2つあり、1つ目は、とても細くて柔らかいふわふわしたやさしい感じの髪の毛が、生えていることが多いということです。
2つ目は男性のM字型とは異なり、ひな人形のようにたまご型の丸く優しく見える感じが一般的で、これは Feminine hairline (フェミニンヘアライン) とも言われています。

もし、徐々にうす毛が進行したために、おでこ (ハエギワ) の形が変わったり、おでこが広くなってきた場合は、まず内服や塗り薬などの内科的な治療が、第一選択となります。

しかし生まれつきひたいが広い場合や、M字の男性のようなおでこの形の方は、植毛以外に改善する方法がありません。

それは元々生えていないところは毛根自体がないので、どんなに塗り薬を使っても、発毛の内服治療をしても生えてくることはないからです。

では植毛は簡単なのか? というと女性のハエギワ作成は高い技術だけでなく、特別な知識が必要となります。

なぜかというと? 下記の3つの理由があるからです。

このように難易度が高くても、長井式植毛なら達成可能です。なぜなら、長井式植毛のラインスリット (線状毛穴) は非常に繊細ですし、移植毛の角度、流れ、向きまで計算して行えますので、より自然なハエギワに近づくからです。
また、何よりもホールスリットでしばしばみられるような、毛穴の凸凹がほぼ出来ません。

リスクとしては、既存毛の浅い角度に合わせて植える事で、生えてくる毛が一時的に縮れることがあります。これは皮膚から見た毛の断面が楕円になる為だといわれていますが、生え変わると又、元々の毛のようになることがほとんどです。それと既存の髪の毛の密度と比べて、一回の植毛で達成できる密度は、理論的に少なめになります。

その為1回の経過で大満足という訳にはいかない場合もあります。その場合は2回目で更に密度を増やすということを行う必要があります。それでも緻密な処置が必要な女性のハエギワ植毛は、誰でも出来る処置ではないので、もし手術をお考えならよく検討されてください。

カウセリングの際に、術後画像を必ず拡大して見せてもらい、移植毛の毛穴が凸凹していないかをチエックすることは必須です。

もし生え方が悪くなかったとしても毛穴が凸凹していた場合、おでこを出せないことには変わりないからです。また、絶対に、ハエギワの前列に2本毛を植える移植だけは受けてはいけません。特に女性の方のハエギワはとても繊細なものですので、納得されて施術を決断されてください。

この症例は男性のようなM字のハエギワの女性です。M字を消しつつ、元々からのハエギワに見えるデザインを行い、FUEで1000株を採取して植えました。女性特有のフェミニンなハエギワデザインに対して、0.8 mmのラインスリット (線状の毛穴) を作成して、特にハエギワ前列から3、4列目までは1本毛を使用して、毛流れ、毛の向き、角度まで計算して植えました。1年後が植毛のゴールとされている中、現時点で術後6か月目のためまだ完成はしていませんが、画像で比較しても明らかに改善したハエギワになりました。